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お数珠は一人1個持っておいて 失敗しないお数珠の選び方

お数珠は一人1個持っておいて 失敗しないお数珠の選び方

ごきげんいかがですか?お線香マイスターのかおるんです。

以前こちらの記事で数珠の名前を出した時、「数珠を持ってませんでした」とおっしゃる方(読者さん)がいて、当たり前のように昔から持っていた私にとっては大変衝撃的なものでした。

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数十年生きてきても、仏事にあまり縁のなかった方にとって、数珠というのはハードルの高いものなのかなぁとその時逆にこちらも大変勉強になったものです。
そこで当稿では、何度かお問い合わせのあった「数珠(ジュズ)」についてお話ししてみます。

数珠とは






そもそも数珠ってなんなの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
聞いたことくらいはあっても、実際に触ったり使ったことのない方もいるでしょう。

起源

昔、お釈迦様が中国に疫病が流行って困っていた難陀国(ナンダコク)の王に
「108の木槵子(モクゲンジ)※1 の実をつないで、いつも手にして心から三宝(仏・法・僧)のなを唱えなさい。そうすれば煩悩が消え、災いもなくなります。心身も楽になるでしょう」
と語ったことが『仏説木槵子経』に説かれています。
国王はそれを聞いて以来、いつも数珠を手にして、毎日念仏を唱えました。すると、悪病もたちまち退散して人々は幸せになりました。

その後、この数珠に数の概念や、一つ一つの珠に意味付けがされ、教典にも説かれて、仏教の法具として欠くべからざるものになっていきました。

仏教が、中国から日本に伝来した時に、数珠も一緒に伝わりました。正倉院には、聖徳太子が愛用していた蜻蛉玉(トンボダマ)※2 剛子の数珠や、聖武天皇の遺品である水精(水晶)と琥珀の念珠2連が現存しています。
すなわち、天平年間いは数珠が伝えられていたことになります。それが仏具として僧侶以外の一般の人々にも親しまれるようになったのは、鎌倉時代以降のことです。

現在の数珠は宗派によってそのかたちが違っています。

後半で、宗派別の数珠の特長をご紹介します。

※1
木槵子(モクゲンジ)
中国及び朝鮮半島を原産とする落葉樹。種子が数珠の材料になることから、別名「センダンバボダイジュ」とも呼ばれる。日本には古くに渡来し、実用的な意味合いもあって主に寺院に植栽され、現在では大木となっているものも多いモクゲンジという名前は、ムクロジの中国名(木患子)を音読みした「モクカンシ」が転訛したもの。ムクロジと本種を混同したことに由来するという(諸説あり)。

庭木図鑑 植木ペディア」さんより
https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹-マ行/モクゲンジ/

2
※とんぼだま、蜻蛉玉
穴の開いたガラス玉(ビーズ)のことで、模様のついたガラス玉をトンボの複眼に見立て、「とんぼ玉」と呼ばれたといわれている。

 

概要

珠数とも書き、念珠(ねんじゅ︎)とも呼びます。
元々は、念仏を唱える際に、年回唱えたかを数える為に一声ごとに一玉ずつ操って用いられていました。

数珠の珠の数は、108個が基本となっています。
というのは、私たちの心が108にも動き、変わり、乱れるということから来ていて、これを108煩悩と言っています。
しかし、実際私たちが使っている数珠の珠の数は108以外にも持ちやすいように半分の54、またその半分の27、108個にちなんで18などと色々な形式があります。
珠には、親玉と言われ、房の付いているT字型の穴の空いているものがあり、これが数珠の中心となります。
丸く輪になっているのは、仏の心を私たちの心の中に通し、心が丸く素直になることを意味しています。

功徳(メリット)

数珠には、一体どのような功徳(メリット)があるのでしょうか。
明治の頃、曹洞宗の管長だった西有穆山(にしありばくざん)禅師は、馬車に一台もの数珠を買ってきて、出会う人ごとに
「仏教を信じなされ。幸福を与え、身を護る数珠でござる。」と、街頭伝道をしたそうです。

数珠には如意宝珠※のような除災招福の神力があるとされ、持っているだけで魔除けになるのです。
また、諸々の願いが叶いますようにと、昔から数珠には表からは口という字、裏からは十よ読める「叶う結び」という紐の結び方があります。

信仰を深め行くには、まず何よりも念じて見ることが大切ということですね。

※思いどおりに宝を出すといわれる珠のこと。サンスクリット語のチンターマニcintmaiの訳

どういうシーンで使うもの?






👉お仏壇に向かって礼拝する時
👉お葬式
👉法事
👉お彼岸の墓参りの時
👉お経を唱える時

最近は自分の数珠を持っていない方も多いそうですが、数珠を持たずに葬儀参列することは仏様を鷲掴みにする行為とされています。必ず数珠を持つようにしましょう。

使い方(持ち方)


数珠は基本的に左手で持つのがマナーとなっています。

その理由には諸説あり、例えば左手が仏様の清浄な世界を、右手が我々の住む不浄の世界を指しているというものです。左手に数珠をかけ両手を合わせることで、自分の中の不浄や煩悩を仏様が消してくれるという理屈だそうです。

仏教の発祥の地であるインドでは、左手が不浄の手とされています。

焼香の時

葬儀に参列すると、お焼香の時間がありますよね。
あの時に、どうしたらいいのか作法についてテンパる方が多いと思います。
しょっちゅうあるものではないから、尚更です。

一度イラストで確認しておきましょう。

引用元:「日本数珠協会」より
http://www.j-juzu.com/juzu12.html

 

使わない時は房を下にして左手で持つ

読経などを聞いている時や合掌していない時は、左手に持って房を下に垂らすのがマナー。
焼香をする際の往復で歩く場合も左手で持ち、房を下にします。

引用元:「日本数珠協会」より
http://www.j-juzu.com/juzu12.html

合掌の時は左手にかけて右手を添える

合掌する時は宗派によって異なりますが、
基本は左手にかけて右手を添えるか、両手を合わせ人差し指と親指の間に掛けます。

どんなものを選べばいい?


数珠は宗派によってもそのかたちが違います。一般の人たちは各宗派用の一連の数珠を使うことが多いようです。

宗派

数珠は、誰彼みんな同じ形式のものではなく、宗派によって分けられています。

・天台宗👉平珠が多い。主珠108個、親珠1個、四天4個で構成され、2本の房にはそれぞれ、平珠20個、丸珠10個がつけられています。

・真言宗👉数珠の持つ意味を重要視している真言宗では、108の玉数は、金剛界の百八尊を差し、親玉は大日如来の智慧を表し、それを取り囲む天玉(四天)は、宇宙を表現した曼荼羅の四方四仏(弥陀・室生・あしゅく・釈迦)、あるいは、普賢菩薩・観音菩薩・文殊菩薩・弥勒菩薩の四菩薩をさす、という解釈がされています。

・浄土宗・時宗👉僧侶が儀式の時に使う荘厳数珠、数取りのできる日課数珠、大勢で称える百万編数珠などがあります。
日課数珠には二連の輪違の数珠が多く用いられています。

・浄土真宗👉念仏を称えることを行とは考えないので、真宗には数取りができない「蓮如結び」という紐の結び方があります。

・曹洞宗👉禅宗では「出入りの息を持って念珠となす」という姿勢があり、坐禅を重んじている為数珠の作法に規定がありません。
また、数珠に環が付いているものが多くあります。

・日蓮宗👉他の宗派にない祈祷用の数珠が多くあります。特に房の組み方と作法が他宗派とは異なります。

宗派による数珠の種類一覧
お数珠は一人1個持っておいて 突然の不幸に備える
☝️
https://shinshimono.jp/mts-2526
「こだわりのメンズバッグ・小物の専門店『紳士の持ち物』」よりお借りしました



略式か本式か

略式数珠は『片手(かたて)数珠』や『一輪(ひとわ)数珠』 といわれる
1重のお数珠です。全ての宗派で使用可能です。

一方の本式数珠は正式なもので、珠の数が108珠が基本です。
略式では珠の数は少なくなり、22珠のものが多くなっています。また、珠のサイズが大きい20珠・18珠のものもあります。

現在では一般的に略式数珠が用いられることが多いようです。
略式だから恥ずかしいとか、違反だとかそういったことはありませんので堂々と使いましょう✨

性別

男性用・女性用の数珠では異なります。
主に珠(たま)の大きさや全体の大きさ(長さ)房の色にあり、男性と女性用を混同して使用することはありません。

相場

幾らくらいのものを用意すべきなのでしょうか?

基本的に数珠の価格は使用されている材料によって変動します。
5,000円以下で購入できる手軽なものから、素材によって数万円・十万円以上するものもあります。

「本式数珠」は大体1~3万円のものが多いようです。
これに比べ「略式数珠」の方が若干価格は抑えられ、5千円以下から1万円前後のものが多いようです。
翡翠や香木のような高級素材になるとその相場は跳ね上がり、数百万円に上るものも。

球数が「略式数珠」の方が少ないので相場的に安く、「本式数珠」の方が比較的高くなります。

かおるんの数珠を紹介♡

私は珊瑚の数珠にしました。
1万円以上のものですが、自分でデパートで選んだものなので普通にお気に入り♡ですから葬儀の際必ず持参するようになりました。
それまでは実家の余っているものを借りたりしていましたが、やはり自分で自分のものを持っていると、気持ち的に全然違いますね😇

一緒に数珠袋も購入。同じように色や柄が気に入っていてお気に入りの一つになっています♡

夫の物は確かブラックオニキスで、虎目石が間に2珠(黄色の珠)入っていると記憶しています(あまり覚えておらずごめんなさい)

 

どこで買えるの?






数珠が欲しい!いざそう思っても、どこに売ってるの…?ってなると思います。
主に以下のような場所で販売されていますので参考にしてくださいね。

・デパート
・冠婚葬祭の専門店
・葬儀屋
・仏壇店
・紳士服屋(AOKIや青山など)

また、価格を抑えたいのであれば
・大型ショッピングセンター(AEONやイトートーカドーなど)
・ホームセンター
・百均
でも扱いがあるようです。

まとめ






ご不幸とは、本当に突然やってきます。
告別式はまだしも、お通夜ですと当時時や翌日の夕方になんてことが当たり前です。
そんな時、すぐに持っていけるようにしたいものですね。
数珠に限らず、もちろん喪服も慌てないよう事前に用意しておきましょう。

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慌ててデパートなどに駆け込んで、あまり選べないままそれなりに高いものを買うなんて、悔しいじゃないですか。そうならないためにも、お時間のある時に予め買いに行きましょう。
ネットでもいいでしょう😇

かおるんの一言POINT

✔︎購入する際のPOINT

・特に信仰している宗派が無い場合でも、数珠を持つ必要はあるのかと聞かれる事がありますが、答えはYESです。

日本のお葬式は9割が仏式です。信仰している宗教がない場合でも、社会人のマナーとして略式の数珠は持つべき。
ただし、キリスト教や神道などの信仰をお持ちなら、数珠は持つ必要はありません。
・自分の宗派の本式数珠を持って、違う宗派の葬儀に参列しても大丈夫かどうか心配されているあなた。

ご自身の宗派の数珠で違う宗派の葬儀に出席されても全く問題ありません。気になるようでしたら、 略式の数珠を持って参列されても良いでしょう。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました😚